細胞伸展システム
STRETCH SYSTEM
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メカニカルストレスによる細胞培養
生体内の細胞は、常に様々な機械的刺激を受けています。細胞が、伸展、圧縮、ズリ応力、静水圧などの機械的刺激を受けると、メカノレセプターが刺激され、細胞内にそのシグナルが伝達されることにより細胞活動に影響を与えると考えられています。
しかし、通常の培養条件下(静的培養)では、このような刺激は存在しません。弊社の培養細胞伸展システムは細胞に伸縮、圧縮刺激を加えながら培養することで、生体内に近い環境を与えるため、静的培養とは異なる細胞の変化・応答が観察できます。接着性の種々の細胞に広く用いることができます。
STREX社独自の優れたシステム
多様なストレッチパターン
伸展率8通り、頻度8通りの組み合わせにより、計64通りのストレッチパターンが可能。
ストレッチチャンバー
細胞の固定、蛍光イメージングなど様々な処理が可能な特殊シリコン膜チャンバーを採用
均一な負荷
すべての細胞に均一な負荷、かつ伸展させる軸方向以外への二次的負荷が微弱
高い再現性
本体は高精度・高トルクステ ッピングモーターにより 超低速から高速まで安定した動きが可能。優れたシリコン膜チャンバーとの組み合わせにより、再現性の高いストレッチ刺激を負荷できます。
ストレッチパターンとは?
“伸展率と伸展頻度” の2つのパラメータの組み合わせで負荷のパターンが決まり、さまざまな周期的・持続的刺激を設定できます。
伸展率:
伸展頻度・周期的: 一定間隔で伸展・リラックスを繰り返す
伸展頻度・持続的: 一定時間進展し続ける
伸展率と伸展頻度の2つのパラメータを各8通りずつプログラムに組み込みます。その組み合わせにより最大64パターンの伸展刺激が可能です。ご指定がない場合は、使用する細胞に応じたパラメータを設定します。御機能の8通りを各々指定いただけますが、上記以外のパラメータ指定も特注で対応しますので、お問い合わせください。
伸展率(%):
2、4、6、8、10、12、15、20
伸展頻度:
周期的(cycle/min) 1、2、6、10、20、30、60
持続的(sec) 3 、5、10、60
実験の流れ
細胞外マトリックスでコートしたチャンバーに細胞を播種し、CO2インキュベーター内で伸展・圧縮をしながら細胞培養を実施。顕微鏡ステージ上に取り付けるタイプであれば、負荷をかけながらリアルタイムに細胞の変化を観察できます。
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細胞外マトリックスでコートしたチャンバーに細胞を播種
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細胞がチャンバー膜面に接着
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希望のストレッチパターンで伸展刺激を開始
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細胞を観察(培養中でも顕微鏡観察ができます)
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実験目的に応じて細胞を処理
細胞伸展とは
細胞伸展(さいぼうしんてん、cell stretching)は、細胞が機械的な力によって物理的に引き伸ばされるプロセスを指します。このプロセスは、細胞の形状、機能、遺伝子発現、および細胞間相互作用に影響を与える重要なメカニズムとして研究されています。細胞伸展は、組織の成長や修復、再生医療、そして病気の進行など、さまざまな生理学的および病理学的プロセスに関与しています。
細胞伸展の研究分野と応用
再生医療
組織工学において、細胞を適切に引き伸ばすことで、人工組織や器官の形成を促進できます。例えば、心筋細胞を引き伸ばすことで、心臓組織の再生を目指す研究があります。
生体力学の研究
細胞がどのように機械的な力に応答するかを理解することで、力学的刺激が細胞の構造や機能に与える影響を明らかにします。これは、運動や外傷、リハビリテーションの研究にも関連しています。
疾患研究
癌細胞や他の疾患細胞における異常な機械的応答を研究することで、病気の進行メカニズムや新しい治療法の開発に繋がります。例えば、腫瘍細胞の硬さや伸展応答を調べることで、転移のメカニズムを理解します。
細胞の成長と分化
細胞伸展が幹細胞の分化や特定の細胞型への成熟にどのように影響するかを研究することは、細胞治療や組織再生において重要です。
細胞伸展は、細胞生物学、バイオメカニクス、再生医療などの多くの分野で重要な研究テーマです。細胞がどのように力に応答し、その結果としてどのような変化が生じるかを理解することは、基礎研究から応用研究まで幅広く役立ちます。
細胞伸展装置とは
細胞伸展装置(さいぼうしんてんそうち、cell stretching device)は、培養された細胞に機械的な引き伸ばし(伸展)力を加えるための実験装置です。この装置は、細胞の生理学的応答を研究するために用いられ、再生医療や生体力学の研究において重要な役割を果たします。
細胞伸展装置の利用例
細胞伸展装置は、以下のような研究や応用に利用されています。
力学的応答の研究
細胞がどのように機械的な力に応答するかを調べることで、細胞骨格の再構築やシグナル伝達経路の活性化などのメカニズムを理解します。
組織工学
生体組織の再生を目指す研究で、細胞に適切な力を加えることで、細胞の増殖や分化を促進する方法を開発します。例えば、心筋細胞や血管内皮細胞に対する伸展刺激は、心臓や血管組織の再生に役立ちます。
病態モデル
疾患モデルの研究において、細胞伸展装置を使用して病態を再現し、病気の進行や治療法の効果を評価します。例えば、肺の拡張と収縮を模倣することで、呼吸器疾患の研究が行われます。